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牧師だより

桃山基督教会「教会報:葡萄の樹」

  2014年7月
2013年4月に桃山基督教会に赴任してから、早いもので1年3か月が過ぎました。これまでに、たくさんの方と出会い、また様々な経験をさせていただきました。
 この一年を振り返ってみる時に、強く感じずにはいられないのは、いつも神さまが支え、導いてくださっていたということです。
 信徒の方が天に召されたとき、慌てふためき、何をしたらよいのかわからなかったわたしを助け、支えてくださったのは神さまでした。
 新しい方が教会に集う中でも、いつもそばにいてくれたのは神さまでした。
 そして、信徒の方々にも支えられ、導かれたことに喜びを感じた一年でした。
 時に厳しく、また時に優しく、またある時には一緒に涙してくださる方々の存在が、どれだけ心強かったことでしょうか。
 さらに直接声を掛けられなくても、陰で支えてくださる人がたくさんおられるということ、そのことを神さまに感謝せずにはおられません。
 その思いの中で、本年度の年間聖句について考える機会がありました。その時に与えられたのが次のみ言葉です。 「子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう。」 (ヨハネの手紙一 3:18)
 このヨハネの手紙第一は、ある小さな共同体に対して書かれたと考えられています。イエス様が十字架につけられて七、八十年がたった頃、その共同体はユダヤ教の会堂から追放されていました。そして彼らは、自分たちと行動を共にしない人たちを非難し、排他的になっていくのです。
 外の世界に対して排他的になればなるほど、自分たちの中には居心地のよい世界が広がっていったかもしれません。
 このみ言葉に出会った時は、「愛し合う」ということに着目し、時代背景やどういう状況で書かれたかなど、そこまで考えていませんでした。ところがこの背景や状況を知った時に、神さまがどうしてわたしにこの聖句を与えられたのか、そのことを深く考えさせられたのです。
 わたしたちにとって、外の世界とはどのような世界でしょうか。その世界に対して、わたしたちは交わろうとしているのでしょうか。それとも排他的になっているのでしょうか。
 教会の中では知った者同士居心地がよく、外の世界とは遮断されて生きていく。 ヨハネの手紙が書かれた共同体は、まさにそのような状況にありました。しかしそこには不和が生まれ、分裂が生じ、共同体から出ていく人たちが出て来たと言われます。その中で書かれた言葉が、「子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう」というものでした。
 わたしは今まで自分たちのことだけを、内側だけを見ていたのではないだろうか。本当に周りの世界のことを考え、行動していたのだろうか。
 神さまから次の一年の課題を突き付けられた気がします。このみ言葉をご一緒に心に留めていければと思います。
 最後になりますが、この一年お支え頂き、本当にありがとうございました。

バナースペース

勤務地:日本聖公会 奈良基督教会
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牧師:司祭マタイ古本靖久
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