
| 2025年12月号 | ||||
| 「イエスが手を差し伸べてその人に触れ、『よろしい。清くなれ』と言われると、たちまち重い皮膚病は去った。」(ルカによる福音書5章13節) | ||||
| 先日教会の方々と一緒に、長島愛生園や邑久光明園に行く機会が与えられました。この二つの施設はいずれも、国立ハンセン病療養所です。ハンセン病は「過去の病気」だと言われます。確かに特効薬が開発され、日本には新たな感染者もおられません。しかし療養施設にいる人たちは、家族の元や故郷に帰ることができません。そこには病気に対する誤解や偏見が根強く残っているからです。
聖書には、「重い皮膚病」にかかった人が出てきます。彼らは宗教的に「けがれている」とされ、彼らに関わることも、触れることすら禁止されていました。しかしイエス様は、その人たちに手を差し伸べられています。 車や徒歩で長島愛生園や邑久光明園がある島に行くには、「邑久長島大橋」を渡る必要があります。対岸までたった30mしかないにもかかわらず、計画から完成まで17年も要しました。そこには差別や偏見による反対があったのでしょう。 イエス様が重い皮膚病の人に手を差し伸べられたように、わたしたちの心も今孤独や悲しみのうちにある人の元に向けられますように、そこに橋を架けることができますようにと、心から願います。 |
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| 司祭 マタイ古本靖久 |