2025年8月号 | ||||
「正しい者はいない。一人もいない。」(ローマの信徒への手紙3章10節) | ||||
先日ある方のところで、千羽鶴を作りました。といっても学生が一生懸命折った折り鶴を、糸でつなげていくだけの作業ですが。一つ一つ不揃いで、いろんな色をした鶴を見ながら、世界の人も同じようにその違いを認め合っていければ、と思いました。
世界では、争いが絶えません。戦争やテロ、クーデターなど、人の命を軽んじる出来事が、様々な場所で起こっています。また身近なところでも、暴力や人権無視、いじめやハラスメントなど、人を傷つけ、また傷つけられといったことがあるでしょう。 人はどうして、そのように争いを起こすのでしょうか。それは自分の正しさ、つまり正義を相手に押し付けるから、ということも理由の一つだと思います。「わたしはこうだから」、「あなたもこうするべきだ」と主張し合って、ケンカが始まる。国同士もそうです。 しかし神さまの前に、「正しい者はいない」のです。わたしたち人間はみな不完全で、過ちを犯します。誰もが自分の欠けたところに気づき、お互いのことを認め合えたらと思います。そのときに初めて、本当の平和が訪れるのでしょう。 |
||||
司祭 マタイ古本靖久 |