2025年7月号 | ||||
「誰にも悪をもって悪に報いることなく、すべての人の前で善を行うよう心がけなさい。できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に過ごしなさい。」(ローマの信徒への手紙12章17-18節) | ||||
戦後80年という節目の年でありながら、世界は時代を逆行しているようで、ニュースを見るたびにため息が出る今日この頃です。しかし、世界平和という大きなサイズの平和を考える前に、私たちの心に平和があるかをまず考えたいと思います。心に平和がある状態というのは、おそらく、誰をも憎んでいない、誰に対しても嫌な思いを持っていないという状態なのではないでしょうか。それは人間である以上、非常に難しいことです。でも「ゆるすこと」からしか本当の平和は生まれないということを聖書は教えます。ゆるすとは、まず自分が大いなる方からゆるされていることを知ること、そして、正しいと思い込んでいる自分の怒りを手放すことです。心にキリストの平和を行きわたらせましょう。それが世界平和への第一歩です。 | ||||
司祭 エレナ古本みさ |