2025年5月号 | ||||
「私たちも数は多いが、キリストにあって一つの体であり、一人ひとりが互いに部分なのです。」(ローマの信徒への手紙12章5節) | ||||
昨今いろいろなところで、「みんなちがってみんないい」という言葉を聞きます。金子みすずさん(1903-1929)の愛らしくも深く考えさせる詩「わたしと小鳥とすずと」が良く知られており、小学校でも暗唱するなどして、多様性を尊重することの大切さを子どもたちに学ばせています。何よりも調和を重んじる日本社会でなかなか浸透しないのは問題なのですが、同時に、「みんなちがってみんないい」だけでいいの?という疑問が浮かび上がります。神さまは、私たちを何のために違うように造られたのでしょうか? 聖書は、私たちは体の部分がみな同じ働きをしていないように、私たち一人ひとりもそうであると教えます。すなわち、私たちは一つの体の部分として造られ、互いに助け合い、支え合って、神さまの愛と平和に満ちた世界を作り上げるよう呼びかけられているのです。互いの違いを良いものとして受け入れ、より良い社会を目指して共に生きることができますように。 | ||||
司祭 エレナ古本みさ |